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アンナリーザ・ドミノーニ
マリア・ソメーラ・グロッシ

コンスタンス・M・アダムス

マリア・J・デュラオ(ポルトガル)

セシリア・ハーツ

リスボン芸術大学で芸術を学んだ後、英国サルフォード大学で博士号を取得。リスボン工科大学建築学教授。建築における色彩学修士課程の主任教授。グラフィックデザインやインテリア、宇宙空間まで幅広い分野において色彩学を研究している。

オルガ・K・バノーバ

私のバードハウスプロジェクトのコンセプト
「そして鳥たちの種族の由来をたどれば、もとは人間なのだが、毛の代わりに羽を生やすなどして形を変えているのである。 ところで、その人間ときたら、無邪気で軽率なもので、これまた大空をじっと見て、こう云う事柄の一番確かな証拠は視覚によって得られるのだと、単純に想像するのである。」(プラトン)

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. このプロジェクトは、普通のたんぽぽの白い光の明るさからインスピレーションを得ました。 薬用になるたんぽぽは、花が熟して花糸の玉になり、風が吹くと種が入っている痩果を運んでいくのです。 内側の苞は直立していますが、種が熟して曲がってくると種が飛び散るようになります。風はたやすく種をばらまき、その落下を支えるのは、とても薄い花糸の翼です。このはかなげなたんぽぽは、空を飛ぶことのすばらしさと、大地の安定性の間には翼に乗ってかける橋があるのではと思わせます。 その丸みは、天空の統一と多様性を表しますーそれは「夢の影」(ピンダラス)であり、そのつくりが木の葉に似ています。(ホーマー)それはまた、人類を養いその存在を保証する慈しみの中心存在が統一する自然界の多様性を象徴するのです。
風は螺旋状に死に向かう人間の旅と、母なる神デーメーテールの静かな子宮の中での再生を励まし支えるものです。
ちょうど、一粒の麦が死ぬことで多くの実を結び、生の価値を不滅にするのに似ています。生命の「拡がり」のシンボルとして、たんぽぽは、進歩するために払うべき代価が如何なるものであろうと、宇宙を知り、変えるようとするプロメテウスの人間的な行為の統合であります。実際、16世紀のポルトガルの詩人カモンイスが「ザ・ルイシアド」の中で述べていますように、「だが、それが炎を通り抜けてであれ、水をもぐり抜けてであれ、熱を貫いてであれ、寒さを耐えてであれ、あるいは刃の下をくぐり抜けてであれ、人間が試みもせずに打ち捨てておくほど、それほど向こう見ずの勇気も要れば、呪わしくもあるような企てなぞおよそ存在しないのだ。」(W.C.アトキンス訳)

2. 飛ぶように運命づけられている花ーたんぽぽーは、儚さを暗示しているのですが、そこから新しいアイデアが生まれます。 すなわち、鳥たち、及び特に人間ー自国の平穏と安全を計ることなく空中に飛翔するダイダロスのような人間ーと云うアイデアです。

3. 最後に大宇宙のアイデアが、人間すなわち小宇宙に対置するものとして現れました。

4. 私がバードハウスのために提出するプロジェクトは三つのコンセプトに影響され、三つのそれぞれ別個ではあるが一点に収束する部分を持っています。 先ず第一は現世的で感覚的な基礎。 第二は水平性と垂直性を交差させ、独創的な精神の飛躍に備えます。そして最後の部分は秩序ある宇宙を束の間通り過ぎることの究極の目的へと上昇します。その像が投影されるとローマのパンテノンとの類似性がはっきりと判りますーそれは建築が光に捧げる賛辞であります。

5. この作品は地上の物質的な基礎を表し、多様な存在の基本的な条件を指し示します。それらは18色のパレットの中にぐるりと並んでいる絵具のようなもので、物質と光の関係の中で、半透明、不透明、透明、虹色、そして反射を手に入れるのです。18のプリズムは太陽が日々18の時間帯(各15。)を旅することに対応します。また、時計の文字盤では0時から9時の間に相応しますが、それは人間が生まれる臨月までの9ヶ月を象徴してもいます。これらのプリズムは、光を7色に分ける柱ですが、それを通して見る色は、他の柱の二面鏡の表面が反映する他の色と混じって変化します。 そして我々があちこちへ移動する時に現れる色彩は、自然界で色と光が提供する多様な可能性をそれとなく示すのです。我々が視点を変える度に見るものは、波動する平面であり、表面に押し付けられたような断片です。それらは、素材がちがっても、たえず流動し混じりあう色彩の多様な変化の浸透という性質では共通しているのです。
この作品をどこから見ても、儚げな特質は、その上部の構造と切り離せません。そこでは、光や視線を透す表面が、微妙に溶けたり変化したりする多次元の膜として作用しますから。
この作品は、光と色の歴史の中での二つの大きな躍進と響き合っているのです。その一つはニュートンの
experimentum crucis で、その中で彼はプリズムを通過する光線は7色に分解されること、プリズムを逆にすると、分散した光は再び結合して白色光に戻るから白色光はスペクトル(分光)の集まりであることを証明しました。これらの7色で彼は最初のオレンジから赤に至る色の環を創り出したのです。同じプリズムを通して、ゲーテは、色は光の行動と情熱なのだから光の闇と変動が生じて境目が出来るところに見られることを示しました。
この作品の中でプリズムは柱としても構成されていますが、それは、中心の円柱から放射する翼璧でもってアーチ型の丸天井が下から支えられるように、原初の光によって鏡面の円形天板の表面に映る偏在する存在も下から支えられている様子を表現しています。
この作品は、聖なる創造の光と存在の本質を賛美する周柱円形堂ですが、その動きによってかりそめの変化に我々を巻き込むかと思えば、老荘の「道」によって、永遠なるものの不変の中に我々を包み込みもしてくれる宇宙船のようなものでもあります。

アニリール・セルカン

Margarida Dias
Joana Perry C. Carvalho
Joao Nuno de Carvalho Pernao

尾登 誠一 八木澤 優記

十亀 昭人

アルトゥーロ・ビットーリ
アンドレアス・フォーグラー
セリーヌ・ローリエ

マリア・J・デュラオ