止まり木バードハウス 地球で使用する全ての家具は、常に重力環境下において、それぞれに相応しい機能・形態・構造・素材等が決定されます。しかしながら微小重力環境は、人間を浮遊させ、いわゆる椅子やテーブルの必要性を希薄とさせます。宇宙では、180度の発想転換によるデザインが可能であり、μMovableは、宇宙のμg(微小重力)において観られる液体の球体化にヒントを得、鳥の生態からイメージし、止まり木"的家具として位置づけることができます。 家具は、一般的に人に対して外部としての存在ですが、提案は家具に潜り、包まれるような感じ、つまりインナー家具といえるかもしれません。造形は、空気膜の構造により内側に空間を有し、透明な開口部をもつ直径1300mm?の球体で、それはまさに鳥の巣を連想させます。μG Movableは、12個の五角形ユニットと20個の六角形ユニットの計32で構成され、プラスチックリベットの連結によるため、損傷時における部分的ユニットの交換も可能です。 微小重力下における安息の姿勢は、母体の中、子宮に浮く胎児の姿勢に近いといわれますが、生命が宿る子宮は、いうなれば、人間に最も近い宇宙なのかもしれません。ミクロとマクロが生命観で繋がれている。宇宙は大いなるマトリクス(母型)だという思いを込めデザインしました。 |