プライバシーあるいは逆に共同社会で関わりを必要とする両者の生き物達にとって、自然に溶け込んだ安全な環境を提供できるバードハウスを目指しました。自然環境は鳥達にどの場所に群棲するかということを決めさせます。ハトやカラスは止まり木などに小さな群れをつくりますが、庭に巣を作るコマドリは縄張り意識が非常に強く、プライバシーを要求します。Voxは群棲形態を木立のようなもの、あるいは村として、またバードハウスをひとつづつ、鳥の種類に応じて危険の少ないひっそりとした場所に設置することで両タイプの要求をみたすことができます。(中略) 哲学的に我々は、半永久的に存在しつつ年を重ねるごとに周囲の環境との調和を深めていくような人工物を創る、という概念を支持します。 我々が使用した改造された石は、全く不朽という素材ではありません。自然界の石が侵食するように、バードハウスの表面は次第に侵食されます。しかしながら、通常バードハウスとして作られるもろいものとは違って、人間の住居ほどの耐久性を持つと考えられます。鳥はもといた巣に毎年戻ってきます。そうすれば、この丈夫な棲家で毎年ひなを育てることができます。 もし誰も買わない、設置もしないようであれば、たとえ世界一のバードハウスでも無益です。Voxはシンプルで、立て易く、連続的は生産を可能にし、出荷も容易にするために2つに部品を分けてあります。もし、目的をかなえることができるなら人間にとっても鳥達にとっても同様に魅力的なバードハウスとなるでしょう。 |