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ルーク・スティールズ

スコット・ハウ

クリス・ラングトン

●学歴: 1998年ミシガン大学建築・都市計画学部より博士号(建築学)を取得1997年ミシガン大学建築・都市計画学部より理学修士号を取得。1989年ユタ大学建築学部にて建築学修士号を取得(この間に日本の神奈川大学に1年間留学)。1987年ユタ大学より学士号を取得(アジア研究専攻)。
●職歴:1998年より現在、オレゴン州ユージーンLLCプラクグイン・クリエーションズ・アーキテクチャー社長。職務内容:あらゆる建築関連サービス、工業デザイン、宇宙建築。1988年?1998年東京、鹿島建設の建築士。職務内容:概念設計および建造法調査。1978年?1984年カリフォルニア州ランチョ・クカモンガのウルフ・ラング・クリストファー・アーキテクツのデザイナーおよびプロジェクトマネジャー。職務内容:あらゆる建築関連サービス
●教職歴: 2001年より現在香港大学建築学部助教授(講師)1998年?2001年オレゴン大学建築学部助教授(客員) 1996年〜1997年ミシガン大学芸術学部講師
●組織および活動(抜粋): 2000年より現在米国航空宇宙学会(AIAA)設計工学技術委員会(DETC)宇宙建築小委員会委員
●賞罰および特許(抜粋): 2000年極東基金主催「極東国際デジタル建築デザイン」コンクールにて、プラグイン・コンドミニアムで優秀デザイン賞を受賞。1999年バラー・グループ主催「シェルター・リゾート」コンクールにて、環境脆弱性で金賞を受賞。1997年QAMELモジュール式車両デザインの優秀なデザインにより、国際アウディ・デザインコンクールに優勝。

シルバノ・コロンバーノ

 拡張可能な設計の基本原理および形状の基本原理と、変更・修正可能な作業ルールの応用によって、フレキシブルなパラメトリック・システム「キット・オブ・パーツ」は、いかなる状況設定にも適応可能になると言えるでしょう。よく設計された部品は、大量生産し、何度でも繰り返し使用することが可能なので、組立部品の製作工程を事前に終らせ、ロボット製造と自動組み立て作業を行うことができます。キット・オブ・パーツ・システムを使ったロボット建築のコンセプトを探り、ロボット・メカニズムの延長として建築部品を使い、そして、自動建築ハードウェアを建築要素に組み込むというコンセプトを試す。これが、私のしてきた仕事です。
 「キット・オブ・パーツ理論」という言葉は、ジョイント・ベース(線形的要素)かつ、パネル・ベース(平面的要素)、モジュール・ベース(立体的要素)で、展開可能な(時間的要素)建築システムを取り込むために、建築材料があらかじめ設計、技術的に検討され、組立部品があらかじめ製作される、オブジェクト指向の建設工法の研究と応用を指します。
 また、キット・オブ・パーツ建築とは、組立での柔軟性と製造での効率性の実現を目指すばかりでなく、取り外しと分解、再利用が可能であることを定義上当然、必要とする、プレハブ部品製造の特別な一部分です。拡張可能な設計の基本原理および形状の基本原理と、変更・修正可能な作業ルールの応用によって、フレキシブルなパラメトリック・システム「キット・オブ・パーツ」は、いかなる状況設定にも適応可能になると言えるでしょう。キット・オブ・パーツ建築工法には、建物に使われる何百万もの個々の部品(パート)と原材料をまとめて、標準の製造しやすい構成要素の組立部品にし、取り扱いに便利なサイズ、あるいは、出荷にともなう制約に応じたサイズにすることも含まれます。このように建物の建造を、原材料レベルではなく、組立部品レベルで行うのです。建築家が、建物の主要な各組立部品の説明書である部品(パーツ)ライブラリーの内容を決めますが、こうした組立部品は、インクリメント(増分)やサイズ、形状の基本原理など、ある一定の規則を基に、システム化された手法で考案されます。部品が持ちうる形状と外観は、数えられないほどあるので、組立部品間の標準の結合は慎重に決めなければなりません。伝統的な建築方式では、原材料と道具・用具、労働力などすべてが現場に集められ、その場で加工される「最終ライン」工法で建物が作られます。これとは対照的に、キット・オブ・パーツ工法を用いれば、ロボット工学と自動建設を利用し、安全かつ制御された環境で、様々な製造作業を平行して行うことが可能です。
 自動建設技術は、建築作業の大幅な効率化と、情報基盤技術の合体、現場の危険な環境の排除、労働力不足への対処といったニーズから生まれました。業界は漸進的な開発を求めていますが、研究者は、建物の全ライフサイクルにわたって、遠隔制御あるいは遠隔モニターが可能な完全自律設計・建築システムを作り出すことを目指してきました。この完全自律システムという夢を実現するために、最近の建築自動化研究では、柔軟性の確立と、より堅牢な、市場性の高いシステムの開発を試みるだけでなく、プロセス(工程)と製品、機械のデジタル表現の整理にも努めています。ワープロで打たれた文書がプリンターによってハードコピーになるように、情報インフラと自動製造システムによって、現実の世界の建築モデルをいかに生み出せばよいかがわかるデジタル建築モデルを作る。これが最終的なシナリオです。
 バードハウス・コンドとは、時間ベースのジオメトリーのメリットをフルに活用したロボット建築システムです。アパートはユニット毎に保管されているので、出荷と取扱いに必要な最小限のスペースしか取りません。そして、ロボット・メカニズムでこれらのユニットを現地に運び、セットします。モデルはデジタル処理で設計、製造されているため、図面は一切必要ありません。3Dソリッドモデルから2次元の製造工程ファイルを作成し、これを数値制御レーザーカッターに直接送りました。
 最終的には、完全に機械が建物を設計、製造、建造するようになるでしょう。これは、宇宙あるいは深海など苛酷な環境で、住む場所を設計する時に、役立つと思います

 

松原 仁

レベッカ・フランダース

スコット・ハウ