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ルーク・スティールズ

レベッカ・フランダース
(アメリカ)

クリス・ラングトン

1980年米国バージニア州フォールズ・チャーチ生まれ、米国メリーランド州南部で子供時代を過ごす。1990?1995年画家のリサ・エジェリ、ピーター・エジェリ、ジョージ・マクウィリアムズの各氏に師事。1998年メリーランド大学ボルティモア郡校にて、人工生命およびデジタルアートを専攻。フィル・ハーズのもとで循環型環境を学ぶ。2001年アエロフレックス・オルテア・サイバネティックス・コーポレーション社にて奉職。2001年D.A.I.S.Iのディレクターとして生態系デザインチームに参加。現在はUMBC芸術視覚文化センターのインターフェースを制作中。

シルバノ・コロンバーノ

 バードハウスは、自己完結的で完璧、まわりから突出して目立つことのない、シンプルでエレガントな自然への贈り物です。でも、テクノロジーに囲まれた現代社会に住む私たちは、そのシンプルさを見過ごしてしまうことがあります。
 現代のテクノロジーは、私たちが抱いてきたとっぴな夢よりも、さらに複雑です。この複雑さのお陰で、私たちはいかなる問題も解決し、いかなる障害も乗り越えてきましたが、同時に、このソリューションが、決して小さくない対価をともなうことも少なくありません。また、ソリューションが、結果的に解決するよりも多くの問題を生むこともあるのです。
 当面の問題に対処するだけではなく、永続的に世界にプラスの効果を与えるソリューションを探すために、基本に戻る、ローテク化を図る、シンプルにする。時には、これも必要です。持続可能性は、できるだけ多くの人たちが、ソリューションをいかに簡単にまね、繰り返し用いることができるかに左右される場合がしばしばです。ある人が適切な対応をした、ある人が完璧なソリューションを発見する。それだけではとても十分とは言えません。そこで終ってしまえば、効果も終ってしまう。
 人工知能には、私たちが日々の生活でぶつかる問題のソリューションを与えてくれる大きな潜在性があります。その一方で、こうした機器を作るために一般的に使われる材料は、現在の手法では、持続可能ではありません。日々の問題には、シンプルなソリューションと持続可能な材料が不可欠です。バードハウスを作る上で、私が重視したのは、天然の建築材料を使うこと、そして、石油化学製品あるいは化石燃料産業の副産物を使わないことです。環境に悪影響を与えたり、環境を破壊したりせずに、いつまでも続けることができる手法。これが、持続可能性のカギです。

 生きている種子には、知能がある。不可欠で、非常に重要な意味を持つ知能が、このような小さなものの中に詰っているのです。ひとつのさやは小さくても、大きな樹木あるいは、風になびく草、家族の食卓に上るトウモロコシに育つのに必要な知識と知能をすべて格納することができます。人間も、こうしたエレガンスとシンプルさを真似することができさえすればよいのですが……。
 私がバードハウスのメタファーに種子を選んだ理由は、いくつかありますが、まず第一は、そのシンプルさと自己完結的な性格です。そして、小さな部分がたくさん集まっているという種子の形態も、そのひとつに挙げられます。これは、個々が協力し合って、同じゴールに向かい、バランス良く1つにまとまった自然のコミュニティーに他なりません。種子は再生し、自分の力で永続的に生きることができます。そして、小さいけれども、数が多いのです。

松原 仁

レベッカ・フランダース

スコット・ハウ