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ルーク・スティールズ

松原 仁
+柳 英克 + 木村健一+西野由希子

クリス・ラングトン

1959年 東京生まれ.1960年代後半 鉄腕アトムにかぶれる)
1981年 東大理学部情報科学科卒業
1986年 同大学院工学系研究科情報工学専攻 博士課程修了
1986年 通産省工業技術院
電子技術総合研究所入所
2000年 公立はこだて未来大学
システム情報科学部教授

シルバノ・コロンバーノ

 birdhouse(鳥の巣箱)と聞いて最初に考えたことが「科学技術と自然の調和」でした。人工知能という研究分野は人間のように知能を持ったコンピュータを作ることを目指していますが、この研究が始まった西洋では「支配するもの」と「支配されるもの」とが明確に区別されており、人間は「支配するもの」で自然は「支配されるもの」なのです。
 そういう西洋では人工知能を含む科学技術は「支配するもの」が「支配されるもの」をより効果的に支配するためのものでした。
 日本の人工知能も最初は西洋の後追いでしたが、徐々に日本独自の人工知能の考え方が出てきまし

た。
 日本など東洋では世の中を「支配するもの」と「支配されるもの」とに二分するようなことはせず、すべてのものは同じスペクトルの上にあると見なします。人間も自然も「同じ」なのです。こういう考え方のもとでの科学技術はすべてのものがよりよく調和するために使われます。自然と対決して支配するという西洋的な科学技術観は環境問題など深刻な事態を引き起こしており、いまこそ東洋的な科学技術観が期待されています。人工知能もすべてのものをよりよく調和させるために使われるべきなのです。
 ということで、「科学技術と自然の調和」をイメージした鳥の巣箱を考えてみました。巣箱の入り口にセンサーがついていて、鳥の出入りの回数を数えています。
 これは現在の科学技術としては基本的なものですが、こういう装置をいくつも取り付けていくことによって鳥が住みやすい環境を作り出すことができると思っています。こういう装置は従来は自然に反するとして除外されてきたのですが、われわれの考える科学技術は自然と一体化されるべきもので、その第一歩としてこの作品を作ってみた次第です。

松原 仁

レベッカ・フランダース

スコット・ハウ