<ちょっと物知りコーナー>
バードハウスには2つの流れがあります。ヨーロッパとアメリカのそれぞれのバードハウスの歴史を紹介します。

小さなものにこそ、大きな世界への入り口が隠されているものです。
何世紀にもわたっ て雨や風にさらされながら、鳥たちのためにつくしてきたバードハウスが、ようやく鳥だけでなく人の注目を集めるようになりました。 バードハウスはいつころからあったのでしょう。 この考証についてはひとつの困難がついてまわります。石でできた建造物などと違っ てバードハウスは耐久性に乏しいからです。
大きく分けて、バードハウスにはふたつの流れがあります。
ひとつはブリューゲルのものと思われる絵画に描かれている巣壷です。ヨーロッパ各地に点在して、そのうちのいくつかは現在も再現されています。
もうひとつは、18世紀アメリカの東海岸に移住したドイツ系移民が先住民族から習ったといわれる素朴な木製のものです。そこにはアメリカ建国のささやかな思い出がこめられています。

ヨーロッパのバードハウス(巣壷)
ベルギー、オランダを発祥の地とするヨーロッパのバードハウス(巣壷)の始まりは、15?16世紀はじめにさかのぼります。それらは、必ずしも「動物愛護」の精神から生まれたわけではなく、卵やひなを食材とするための罠としての意味合いがありました。木製のものやカゴ編み細工のもの、陶器製のものがありますが、天然素材のものは腐りやすいため陶器製の巣壷が大量 に作られるようになりました。
地方や時代によって違いがありますが、巣壷は野鳥の保護のほか、美しいため装飾 に用いられました。お守りとして扱われたこともあります。

アメリカのバードハウス
アメリカンバードハウスは、アメリカ合衆国北東部、特に東海岸に18世紀頃移住 したイギリス系やドイツ系の移民が先住民から習ってつくられたといわれています。 素朴な給餌用のプラットフォームが付いたもの、樺の樹皮でつくられたものなどが残っています。これらは現在でも先住民の子孫が複製しています。
バードハウスは、台風などの自然災害から野鳥を保護するシェルターとして、また 鳥の繁殖だけでなく、種族を増やすことにも大きな効果を上げました。今でも小型の お城や教会、ビクトリア朝のコテージのような美しいバードハウスがフォークアート として残されています。