小さなものにこそ、大きな世界への入り口が隠されているものです。 何世紀にもわたっ て雨や風にさらされながら、鳥たちのためにつくしてきたバードハウスが、ようやく鳥だけでなく人の注目を集めるようになりました。 バードハウスはいつころからあったのでしょう。 この考証についてはひとつの困難がついてまわります。石でできた建造物などと違っ てバードハウスは耐久性に乏しいからです。 大きく分けて、バードハウスにはふたつの流れがあります。 ひとつはブリューゲルのものと思われる絵画に描かれている巣壷です。ヨーロッパ各地に点在して、そのうちのいくつかは現在も再現されています。 もうひとつは、18世紀アメリカの東海岸に移住したドイツ系移民が先住民族から習ったといわれる素朴な木製のものです。そこにはアメリカ建国のささやかな思い出がこめられています。 |