バードハウスカフェ

学生や研究者、企業の枠組みをはずし、さまざまな立場の人たちが未来環境を一緒に考える「場」を探していたバードハウスプロジェクトは、イギリスで生まれた「サイエンス・カフェ」と出会い、韓国(ハンピョン)で、学生たちと初めてのバードハウス・カフェを実現しました。

バードハウス・カフェとは

1990年代、インターネットによる情報コミュニケーションの進展と同時に、欧米で未来の社会について市民が主体的にビジョンを描こうとする動きが活発化しました。
1995年、当時イギリスは狂牛病問題で一般市民が先行きに不安を感じていました。市民と科学者が未来を語り合うことで問題を理解し、あるべき社会を考えようとするところから、1998年、テレビプロデューサーのダンカン・ダラス氏によってサイエンス・カフェが生まれました。
注目すべき点は、科学者が一方的に市民に科学を伝える場ではなく、市民自身で科学を理解し判断したうえで、使いこなせるようになりたいという思いからスタートしていることです。また、カフェで行われてきたのは、堅苦しい学問の環境ではなく日常生活の視点からものごとを捉えよう、突拍子もない考えやアイデアを受容する自由な交流の場にしようという意味が含まれています。

これまでの
バードハウス・カフェ

2008

1回バードハウス・カフェ in 韓国

2回バードハウス・カフェ in 東京

第3回バードハウス・カフェ in 上海

バードハウス・カフェのめざすもの

バードハウス・カフェは、クリエイターによる提言をもとにみんなで地球環境を考えて行くバードハウスプロジェクトの活動の延長として、サイエンス・カフェのアプローチを取り入れ、地球環境の現状と問題について、一般市民と専門家が共に理解し、考える相互コミュニケーションの場の提供を行っていきます。
さらにバードハウス・カフェでは、サイエンス・カフェの発展形として、デザインと科学のコラボレーションを目指しています。つまり、バードハウスという具体的なかたちに「こうありたい」未来のビジョンを託し、社会に提言していくことを目的としています。
地球環境について、一般市民やデザインに携わる学生や研究者と、科学に携わる学生や研究者が、同じテーブルで、自由に鳥が気持ちよく飛ぶようなブルースカイ(青天井、制約条件がないこと)の状態で語り合うことは新しい試みです。バードハウス・カフェでは地球環境の理解、気づき、未来のビジョンが、その場でデザインされ、かたちになっていきます。デザインの学生や専門家がカタリスト(触媒)となり、一般市民や科学者の思いが、目の前で描かれるという新鮮な感動の共有していくのです。


バードハウス・カフェの展望

バードハウス・カフェはプロジェクトの展示とは別に移動型カフェとして持続的に展開することも必要です。さらに本当のカフェとして「バードハウス・カフェ」をつくることも構想として考えられます。地球環境や、科学、デザイン、そしてバードハウスについて、いつでも気軽に語り合えて、イメージをすぐ形にできる道具やスペースがあればより多くの方々に共感を与えることができるでしょう。
これまでのバードハウス・カフェで描かれた、未来のビジョンの数々。そこで終わってしまえば、まさに絵に描いたモチ。それを実現させるための、技術とデザインを考えていくことも、今後の課題として取り組んでいきたいと考えています。


バードハウス・カフェでは環境問題を4つの
トピックに絞り、共通理解を図っています。

●世界の食料と環境

世界の水と環境
世界の温暖化と環境
●世界の貿易と環境

 

バードハウス・カフェの進行の流れ