造船とヨット設計の分野に関連してバ?ドハウスの設計を考案するに際し、この興味深く、また多様な私たちの職業を、最も純粋な形でまたは象徴化して表わさなければならぬ と感じました。私たちのバ?ドハウスの概念には可能性が無限にあることがすぐに判ってきたのです。そこで目前の課題に焦点を合わせることが必要になりました。 造船の最も基礎的なところへ、すなわち私たちのやっている仕事のエッセンスそのものへ、私たちの概念を持って行くことが必要になったのです。このことはもちろん、いろいろな原理、あるいは学問分野を含みます。つまり、静水力学、幾何学関係、そして様式です。私たちの課題は、一つの職業として私たちが発展させてきたものにとって画期的な出来事となるものを、どうすれば最も表現することができるかを決定することであります。またどうすればすべての可能性の中から問題の核心となるものを最もうまく創り出すかであります。 私たちは技術的、美的現実の重層を解きほぐし、それなくしては私たち、この仕事に携わる者が存在し得ないところの全ての造船の基礎、そなわちアルキメデス(287-212BC)による浮力の原理の発見へと遡ったのです。これは造船の最も重要な原理ですが、水中の物体はそれが排除する水の重力に等しい浮力を受ける、ということです。その排水量 の普遍的なシンボルが、四面体、つまりピラミッド形です。造船家とヨット設計者にとって「第一原理」であることが確実なその原理が、どうして物体はその重力にも拘わらず水中に浮かんでいることができるかと言う問題を解決するのです。 |