その他の展示作品

審査員講評

参加校一覧
大韓民国
成均館大学校(ソウル)
国立ソウル産業大学校(ソウル)
弘益大学校(ソウル)
仁荷大学校(仁川)
 


中華人民共和国
清華大学(北京)
中国美術学院(上海)
香港理工大学(香港)
香港専業教育学院 沙田分校(香港)
大連民族学院(大連)
大連軽工業学院(大連)
 


台湾
実践大学(台北)
国立台湾科技大学(台北)
国立雲林科技大学(雲林)
シンガポール
emasek Design School(シンガポール)


日本
大阪産業大学
京都大学
近畿大学
慶応義塾大学
芝浦工業大学
 


名古屋工業大学
名古屋造形芸術大学
日本大学
はこだて未来大学
武蔵工業大学
和歌山大学

世界で25校、358作品が参加

<金賞>

Take under our wings 
成均館大学校(大韓民国)
Heo Min,Seo Young-Ik, Hwang Sun-Ae, Choi Min-Ji, Chang Guei-Jin, Choi So-Youn, Jo Eun-A

人間と鳥が共生するということは、それぞれお互いの役割を分かち合う、ということです。鳥には餌と空間が必要ですし、我々人間との何らかの感情のやり取りも必要です。一方人間には鳥の美しい姿や声に接し、鳥と気持ちを交わしあうことが必要なのです。
そこでバードハウスを造る時には、こうした条件を満たすことによって、鳥が我々の生活空間に来てくれるように考えなければなりません。生活空間は共有しても、なわ張りはお互いの利益になるようにちゃんと分けねばなりませんが。
私たちはテーマとして「環境の監視者」を選びましたが、それがお互いの共存ということが目に見えてわかるからです。人間は潜在的なものを引きだすとか、保護するとかいいますが、実際は開発と環境破壊になることを避けられないのです。鳥が自然と係わっていることを考えると、バードハウスは環境を美しくするのに役立つものでなくてはなりません。鳥は自由に飛び、人間より大きな視野を持っていますから、環境の変化に対してより敏感です。だからこそ、我々は鳥を「環境の監視者」と認定するのです。人と鳥の共同生活空間をつくること、鳥を保護することは、さらに進んで全環境を保護することになるのです。これは我々の生活空間から発するキャンペーンになり得るでしょう。すなわち我々はこの理念を公表し、環境保護キャンペーンをしようとしています。それがバードハウスから始まるのですから、鳥たちの保護はどうしても必要なのです。

Sottae(木製の鳥)
木造または石造の信仰の対象で、木とか石柱の上に置かれます。それは平和のシンボルであり、また韓国の歴史の中で農業社会の営みの成功を保証するものです。普通、村の入り口に立っていますが、それは聖なる村の内と異端の外界とが接する境界上にあるわけです。時には人間以外の超自然的な存在も出入りし、また災害や悪人も侵入するので、そこに監視者として、また聖なるものとして据えられているのです。

<銀賞>

Electromagnetic Interference Countermeasure Birdhouse
京都大学 工学部 角田哲也

パソコンや携帯電話などの電子機器の普及に伴い、電磁波による新たな環境汚染が問題となってきている。人体に対する電磁波の有害性はまだ実証された訳ではないが、大気中を飛び交う様々な電磁波の影響を既に鳥たちは敏感に察知しているかもしれない。人工システムが作り出す不可視の電磁環境が動物の生態系に影響を与えている可能性は、ラットやウサギを用いたマイクロ波の曝露実験において指摘されている。そこで今回提案するのは、電磁波から鳥たちを守る防磁機能をもったバードハウスである。鳥の軽快な飛翔をイメージし、構造体を兼ねたシールド材にアルミニウムとゴム・フェライト系電波吸収体を用いて軽量化を図る。情報化社会のデータ洪水を切り裂き、大空を疾走する戦闘機のような住宅を鳥たちに贈りたい。

人間と鳥のコラボレーションによるハゲ森再生計画
名古屋造形芸術大学 造形芸術学部 林 英史、小川大輔、桜井裕幸

人間だけで森林再生していくのではなく、動物たちの力を借りることで少しでも自然の回復がスムーズにできればと考えました。鳥の糞により植物の種が運ばれることに着目し、その機能を利用して、ハゲ森と周囲の森の生態系を繋ぎ、本来の姿を取り戻させるという再生計画です。鳥だけではなく、他の動物たちの力も結集しても森造りを進めるることができたら ? そんな祈りを込めてこのバードハウスを提案します。

<博覧祭協会特別賞>

無題
武蔵工業大学 工学部  丸山哲生  山地 聡

都市を大きな森と考えると鳥が住む、休む所はどこにあたるのだろう?人とある程度の距離を保ち、共存していける場所。ビルの隙間。都市の中で暗い、冷たいなどネガティブな場として捉えられてきた。人が入っていくことなく、距離をおいておける場所。今まで人は巣箱をつくることで、鳥を守る=隠すという人間が主体の考え、つまりそれは共生というより強制という形をとっていた。そこで、ビルの隙間に枝を通すことで、自由に鳥が選ぶことのできるテリトリーの提案。面ではなく線で構成することで、空間は鳥をやさしく包み込む。

CELL
FONG Ka Chai, CHAN Hiu Nam, FOK Ka Kit, LEE Chui Ying,CHUNG Yiu Wing,HO Yip Shing

私たちはバードハウスのテーマとして「細胞」のイメージを用いました。それは「細胞」が生き生きした個の単位であり、その生長につれて他の個を産み出すことができ、その点が実社会と同じだからです。
テクノロジーの躍進により、汚染にさらされることのない亜細胞(可動的生活単位)の中で、機動的で自由な選択可能な生活方式を享受できるのです。この生活スタイルは文化交流を最大限に促進し、人間と自然との軋轢を最小限にとどめるのに役立ちます。そのことが比較的調和のとれた生活環境を作り出すのです。

Birdhouse ?Nature Tube?
芝浦工業大学 工学部 高橋真人

近代、我々は機械をメタファーとして住宅を生産してきた。近代建築は一元的にはとらえられない人間の生活を、機能を基に分割し、計画する。人間の不可視の部分を切り捨て、形而下の見地から建築や都市を計画してきた結果、その試みはことごとく失敗に終わった。
真に豊かな空間を求めよう。人間の技術がさらに進歩した将来においては、ソリッドなもので空間を仕切る必要はない。外部空間はNature-Tubeの誘導と共に内部に切り込み、ある時は壁、ある時は床と多様にその性格を変えていく。このチューブ状のヴォイドには、鳥が棲み、植物が繁茂する。当初8m四方であった空間が5年後・10年後いくつかのヴォリュームに分割されている。初期条件のみを与え、後は自然の方程式が解答を導く。自然と共生する家、バードハウス。

<博覧祭協会特別賞>

Bubbles
国立台湾科技大学 工商業設計系 Chen Tzu-Ying

大気や水の汚染反対の思いが、このコンセプトを生みました。雨となって空からやってきた水は、いろいろな仕事をした後に蒸発して、また空へと帰っていきます。その循環を汚染が妨げるので水は昔のようにきれいではありません。汚染は環境を悪くするだけでなく私たちの思考力のじゃまをします。
スルッと美しい感じのシャボン玉がパチンと破れて世界中のすべての摩擦を解決してくれるといいのですが。半透明の材質が我々の心を表現し、言葉では言い表せないほの暗い情緒を表現しています。

Bamboo
成均館大学校 大学院工業デザイン専攻
Kim Seung-Hyun, Na In-Sun, Lee Ji-eun, Koo Ja-Jun, Chae Su-Yang Lee Seul-gi, Kim Ae-Ji

現在ではコンピュータの急速な発展により、いつでも身近に仮想空間を、そしてそれを使ういろいろなことを経験することが出来ます。私たちは、そこからアイデアを手に入れ、将来、生活環境をコンピュータによる自動制御可能な空間にする、これをコンセプトのねらいとしました。地上の生物は進化を続け、環境は変化して止むことがありません。人間と動物の生き方も日に日に消長を繰り返します。こうしたことは、テクノロジーの進歩と人口の増大のために、将来避けられないだろうと思われます。限られた空間のために将来は集団生活がどうしても必要となるでしょう。そこで、我々は生活空間の予測をし、それを設計してみました。

無題
実践大学 工業産品設計学系 Kao Shin-Thin

紙のショッピングバッグという自然素材でできたハンディーな巣箱。折り畳み式なので、誰でもどこにでも持ち歩き可能で、簡単に設置することができ、サイズも豊富。いずれは土に還るので環境への負担が少なく、しかも非常にローコストという、現代社会が求めるエコロジカルライフの要素が総て盛り込まれているバードハウス。

<奨励賞>

Brother 兄弟
清華大学美術学院 工業設計系 Ding Yan Feng

このバードハウスは瓢箪の形をした皮の硬い植物で、遺伝子技術で人工的に作り出されたものである。バードハウスとそこに住んでいる鳥とは独自の生態系を内包し、バランスをとりながら同棲同体の形で生きている。鳥は硬い皮の植物の中に住み、皮の内壁にくっついている実を食べる。そして鳥の糞とほかの老廃物は分解されて、バードハウス自身を育てる養分になる。