放置された自動車のマフラー。山中に廃棄された配水管。建築廃材のブロックの穴。我々にとって廃棄物以外の何物でもない物体が、鳥にとっては最高の住み処であったりする。そういえば、カラスがカラーコーティングされた針金のハンガーを好んで拾い集め、巣作りしているというニュースを聞いたことがある。 | ||||||||||
若林広幸 | ||||||||||
1949年京都市生まれ。建築家。 | ||||||||||
鳥礁 | ||||||||||
樹木には“気根”がある。樹木の高い枝に、落ちてきた種子が発芽し、生育する。土のない根は、親木の幹を地面 に向かって生育し続ける。空中にあるこの根が、“気根”である。空を飛ぶ鳥だけが鳥ではない。二本足、羽、クチバシ、とさか、卵。 | ||||||||||
池上俊郎 | ||||||||||
1948年大阪生まれ。大阪大学工学部建築工学科卒業。 | ||||||||||
“AIR NEST=気巣” | ||||||||||
鳥は絶えず運動しているため、身体を維持するカロリーも大きく、人の約30倍のエネルギーが必要であると言われています。例えば、一羽のシジュウカラが、一年に食べる虫の数は青虫に換算して約85.000匹、一日になんと230匹余りをたいらげることになります。一般 には、樹木を食い荒らす害虫の約9割を野鳥が食べてくれるそうです。また、野鳥の体内に取り込まれ、排出された種の発芽率はほぼ100%で、直接樹木から落下した場合の32%を大きく上回ります。 | ||||||||||
辻村久信 | ||||||||||
1961年京都生まれ。インテリアデザイナー。 | ||||||||||
インスタントハウス | ||||||||||
ペットボトルをひろってきました。一本の棒がありました。使い残したテープもありました。それらと僕の手がキママにうごいて出来てしまったトリ達の長屋のようなものです。物質文明も最終コースを向かえているイマオレ達も自分の手でそのへんにころがっているモノで自分の巣をつくる時代に入りつつある気がします。 | ||||||||||
黒田征太郎 | ||||||||||
1939年大阪生まれ。 | ||||||||||
すてられたモノの鳥の長屋 | ||||||||||
日本の鳥類は500余種。そのうち最も多いのが「スズメ目(180種)」である。木の実、穀物、虫などを食べ、その多くは縄張り制をもち、それに関連して美しいさえずりで感情を表している。鳥は自然の中で大きな役割を果 たしている?鳥がいなくなったらどうなるか。鳥と人間、鳥と自然?どのような関わりがあるのか。私は年に2回ほど自然の生態系を観察するために青森の八甲田山に分け入る。青森の雲谷(もや)から八幡平、秋田の奥入瀬渓流にさしかかる頃はブナの原生林。20数年歩きなれたポイントも今年は鳥の数が少ない。混群を作り林の中を採餌しながら移動する「カラ類」は1羽で1日200?300匹の毛虫、昆虫類を食べるが20?30羽の混群が来なくなれば、その辺りは1日に5000?1万匹の毛虫が生き延びる。1ヶ月では生き延びた毛虫15万?30万匹が葉を食い荒らす。葉は光合成が満足にできず樹木の生長が遅れる。また、木の実を食べる鳥は消化されなかった種を肥料になる糞と共に地上に落とし雑木林を作る。良い土は茶さじ一杯の中にバクテリアの数が1億と言われているが、下草もない単一植樹林での土中バクテリア数はそれの2分の1から3分の1しかないという。鳥も虫も雑草も何一つとして無駄 のない自然。今回のテーマを機に自然の営みと人間の創造性?このバランスを自然のスタンスに謙虚に立ち考え続けることが必要であろう。?人間は自然を必要とするが、自然は人間を必要としないのだから? | |||||||||
竹内 洪 | |||||||||
1942年東京生まれ。 | |||||||||
我々をとりまく環境破壊はとどまることが無く地球をとりまくオゾンまでも破壊しつつある。地表は汚れていても、大空は澄んでさわやかな風に包まれている。と思うのは幻想なのか。鳥のさえずりで眼を覚まし、木々の影で時間を知り水のつめたさに季節の移りを感じ、腹が空けば飯を食らい、月が出れば寝床に入る。自然に生きる。できたらいいなー そんな話をしながら・・・環境の変化をいち早く影響を受けるのが小さき「もの」。巣箱は小さき「もの」の胎。小さき「もの」の、大きな母の「ふところ」あたたかく見守り、どっしりと安心感をやさしさを大きな羽根でつつみこむそんな想いをかたちに・・・ | |||||||||||||||||||||||
山田悦央 下村治美 今須智哉 | |||||||||||||||||||||||
山田悦央 1950年大阪生まれ。 下村治美 1950年大阪生まれ。 今須智哉 1970年兵庫県生まれ。 | |||||||||||||||||||||||
このバードハウスは陶器で制作。風雨に強く、耐久性があります。衝撃に弱いという難点があるが、家庭のベランダ等に最適だろう。支柱は、ヘビなどが寄りつかないように工夫しました。 | |||||||||||||||||||||||
大高 猛 | |||||||||||||||||||||||
グラフィックデザイナー。 | |||||||||||||||||||||||